2022-09-01

第9回JIBT 国際カジキ釣り大会

開催期間1987年7月24日 – 26日

第9回J.I.B.Tを省みて

第9回の大会は、去る7月23~ 25日の3日間、参加61チームと大会始まって以来の最大規模で伊豆下田で行われました。
今年の天候不順、特に「もどり梅雨」にかかり、南西の強風にたたられました。
初日は、12~ 15m以上の強風で、中止の己むなきに至りました。
24日の第2日目は、波高2.5m以上、風速12mの悪天候で行われましたが、ヒット数は予想以上に多く、参加船の大半にありました。
しかし殆んどがラインブレークとなり、ファイトにもちこんだ船もファイト中に失敗しております。
中でも200kg以上の巨体を約1時間後に、残り100mまで引きよせて失敗したチャーターボートが心残りでした。
第3日目は、風波は多少おさまったものの、尚風速8m以上、波高2mの状況で行われました。幸いにクロカジキ2、マカジキ2の釣果を得て、大会初めて被露台をにぎあわせました。
そして最後の夜の、東急ホテルでの表彰パーティーで、全員参加の楽しい思い出となりました。
以下成績を挙げます。

大会実行委員長 田中 宏

第9回JIBT国際カジキ釣り大会成績表

JGFAチーム賞
1位 西日本G.F.C.(D)チーム 総合得点72.06点
JGFA個人賞1位
(JGFAチーム賞と重複しない個人1位)松方弘樹
魚種別賞
カジキ 115.1kg 80Lbライン 69.06点 辻 為康
シイラ 11.9kg 50Lbライン 11.90点 沢田新一
オキサワラ 12.9kg 50Lbライン 12.90点 吉岡 修
外国人賞
マンダリンスポーツフィッシングクラブ(香港)
船長賞
チャーターボート 弁天丸 小沢 一成
オーナーボート 多香 千代 今関 謙之輔
レディー賞
五の井 衣子 シイラ 10 4kg 501bライン 10.40点
下田市長賞
弁天メし 小i尺 一成(チャーターボート1位)
稲荷丸 森 光男(チャーターボート2位)
稲荷丸 横山 金司(チャーターボート3位)
西日本GFC (チーム総合1位)
ピーターフィシアン賞
西日本GFC(D)(チーム総合1位)
スタンレー・ハラ賞
辻 為康(個人1位)
辻 為康(最大重量魚)
シーボニア賞
多香千代 今関 謙之輔(オーナーボート1位)
レディー&デューク 藤本 幸大 (オーナーボート2位)
コンコルディア 泉 正明 (オーナーボート3位)
ヤマハカップ
松方弘樹(オーナーボートでの最大重量魚)
安田火災海上賞
ノエル・ジョーンズ(タグ得点1位)
日本ビクター賞
該当者無し(20Lbライン以下での10kg以上の最大重量魚)
伊太利屋賞
ピンクドラゴン(最もファッショナブルなチーム)
シマノ賞(クライングタオル賞)
秋山 勇、三信九 田中 久恵(126kgのカジキを釣りながら、情しくも時間切れで失格)
**平林 善啓 マカジキ41.3kg(80Lbライン)をはじめ、選手登録不備、あるいは時間切れのための失格者8人あり。

ファーストマーリンで優勝!

西日本{D)チーム
鳥羽フィッシングクラブ
辻 為康

1日目は悪天候の為中止、2日目はガンバルもヒットなし。
3日目は前日の情報により、ヒョウタン根に行ってもらうよう船長にお願いした。今日は絶対釣ってやろうと心にきめてスタートする。
12時少し回った時、船長がカジキだと叫ぶ。右前方を見ると、10m先にカジキがゆうゆうと泳いでいた。船長はすかさず回転を上げカジキの前に回りこむ。10秒位たっただろうか突然オレの一番手前のロッドがしなり、 リールが悲鳴をあげてラインが出ていった。ヒットだ、船長が回転を上げ猛スピードで船は走りだす、10秒位たった時100m位先でカジキがジャンプした。やった、フッキング成功だ。菊池さんのあわてずに、おちついての言葉が何度も耳に入る。突然10分位ファイトした時、リールが急に軽くなった。オレの頭の中で不吉な予感が走った。大会一週間前に鳥羽の海でヒットしたものの1時間のファイトでラインブレイクした経験があるからだ。
オカシイ・・・軽くなったリールを急いで巻いたとき、突然カジキが50m位先で水面に姿をあらわし船に向かって突進してきた。突然のカジキの突進に皆なビックリ、船長は急いでクラッチを入れ回転を上げ衝突を避けた。
20m手前まで来た時こんどはもぐりだした。その時ラインがまた走りだした。まだかかっている、こいつは絶対上げてやろう、心の中で叫びながら再びファイトに入った。船の前に移動した方がいいとの助言で船の前方に移動する。
今度はカジキが走りだすと船も走ってくれるのでファイトが楽だ。30分位たった。リーダが見えだす、菊池さんがリーダをたぐってギャフを打つ、ヤッタ!この時やっと上げたという安心感がわいた。菊池さんの“おめでとう優勝だ”との言葉も興奮と腕のしびれで何だかわからなかった。
胸をはずませながら船は港に向かって走りだした。
あの日の出の太陽の美しさにあこがれトローリングを始めて5年、いではカツオに夢中になり、カジキを始めて2年、なんと幸運な自分だろう。そして菊池さんと弁天丸の船長のアドバイスには心から感謝したい。
さらにこの260人もの参加者が集まるこの大きな大会、関係者のご苦労には心からありがとうといいたい。
来年は必ず自分のオリンピアⅡ世で参加するとを心に決めて下田の町をあとにした。

多香千代快挙′HIBTで日本チーム初優勝

8月21日~30日までハワイ島ヨナで開催されたHIBTには世界各国から79チームが参加し、フィッシャーマン達の熱い戦いがくりひろげられた。
日本からは多香千代チーム、ジャパントローリングチーム、マーメードアングラーズチーム、キンコートローリングチーム、沖縄チームの5チームがエントリー。多香千代チームが世界の強豪をおしのけ優勝に輝いた。もちろんHIBTでの日本チーム優勝は初めての事である。多香千代チームは初日、大東伝也選手が184ポンドのカジキを50lbラインで釣り、3日日松方弘樹キャプテンが同じく50lbラインで503lbのカジキを上げボーナスポイントなどが加算されて1215ポイントを獲得。果たして最終日まで一位をキープできるか。4日日夜10時、 2時にヒットし7時間以上ファイトしていた香港チームがとうとうカジキを釣り上げ戻ってくるという。600ポンドオーバーという無線の情報に、逆転されるかもという不安な気持ちで船を待つ。 上がったのは大きなシロカジキ。だがカジキのヒレの近くがプロペラでやられたのか大きく傷ついている。カジキが傷ついている場合は人間と対等に戦えないということで失格になる。カジキが船の下にもぐりこみ、夜のこともあり操船がむずかしかったのだろう。長時間のファイトで少し足もとがふらついたその高齢な選手に、ギャラリーからもあたたかい拍手が送られた。
そんなこんなで最終日。2位のコロンビアチームが166ポイント差でせまっていたが、結局追いつけず、多香千代チームの優勝となった。
大会最大重量魚賞も獲った松方キャプテンは「ほんとうにラッキー。最高の気分です」と満面笑顔。多香千代クラブ会長の今関氏は「いや一信じられない。皆さんのおかげです」を感概深げ。
尚、他の日本チームはいずれもタグ&リリースで得点した。ちなみにタグ&リリースの得点は200ポイント。
今年のコナは魚影がうすく、型がみな小さかったのでタグ&リリースするチームが多かった。しかし、魚類保護に役立ち、しかも200点という高得点が大会優勝の行方を左右する可能性もあり、大会をよリー層おもしろいものにしている。
華やかな表彰パーティーも終わり、陽にやけた笑顔で「また来年!」と口々にかわす選手や大会役員。

★石原裕次郎メモリアルヨットレースにJGFAがプレスボート出船などで協力。海の男との永遠の別れを惜しんだ。

出典:JGFAニュース1987年 NO9

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